番組の収録が終わって二人でマネージャーと一緒に楽屋に戻ると、ジェシーがやけに元気をなくして落ち込んでいた。珍しく疲れているのだろうかと思いながらも、衣装から私服に着替えているとマネージャーが挨拶があるとかで楽屋を出て行った。
ジェシーより先に私服に着替え終わりソファーに座ると、遅れて着替え終わったジェシーが真向かいのソファーに座った。
「……どうしたんだよ、ジェシー」
元気がないその様子が気になって声を掛ければ、ちらりとこちらを見たジェシーが俺の顔をじっと見て、拗ねたように口を尖らせた。
「……当てれなかったのが悔しい……」
なにが原因でそうなっているのかと思っていると、俺が嘘をついているかどうかのクイズに正解できなかったことが引っかかっているようだ。お互いの事を良く分かっていると思っていたが、レギュラーが始まって暫く、お互いのことを見抜いて正解を続けていた俺達だったけれど、今日初めてジェシーが間違えてしまった。それが悔しかったようで拗ねて背もたれに寄り掛かった大きな身体はずるずると下がっていき、まるで子供みたいだ。
確かにジェシーが間違えたことに内心驚いた。けれどそういうこともあるだろうと思っていたし、そこまで気にすることでもないだろう。けれど、仲が良いスタッフさんに「ついに間違ったね!」と言われたのが相当悔しかったのだろう。ジェシーは拗ねた顔のまま大きな溜息を吐いた。
俺は、ジェシーを欺けたことに嬉しさを感じていたけれど、ジェシーが間違えたことに多少複雑な感情を抱いていた。
長年ずっと一緒にいても知らないことがあるのは普通の事だ。家族でも分からないこともあるくらいだから当たり前だし、きっと落ち込んでいるのは俺のせいかもしれない。今のところジェシーの問題が出た時、俺は間違えていなかった。
「逆に考えろって、俺が凄いんだよ。ずーっと当ててるだろ。俺」
沈んでいるジェシーに追い打ちをかけるように言葉を掛けると、ジェシーは口を尖らせたまま顔を上げた。だらしなくソファーに寄り掛かっていた身体を起こし、ちゃんと座り直すが、まだその顔は拗ねたままだ。
「樹は俺の事ちゃんと見てくれてるよねー……」
少しだけ笑って呟いてみせたジェシーが哀愁に満ちていて、俺は苦笑いをしながらも訴えかけるようなその眼差しから逃げるように、視線を自分の手元に移して身体を背もたれに寄り掛からせた。
「そうだな。俺はジェシーの事良く見てるよ。まだまだだなジェシーも」
揶揄うようにそう言うとまた拗ねた顔をしたジェシーが、悔しいー!と少し大きな声で叫び、ソファーに寝転がった。
俺はその子供っぽい彼を眺め、気付かれないように溜息を吐く。
そうだよ。ずっと見てんのに、気付いてないんだからジェシーは。俺がどれだけジェシーの事を恋愛対象として見てきて、想ってきているのか、思い知らせたい。いつも自然と触ってくるジェシーにいつもドキドキしているなんて、ジェシーは知らないだろ。もっと俺の事知って欲しい。ジェシーが知らない俺なんていっぱいいるんだから。
「なぁ、今日うちこない?最近遊んでないじゃん」
拗ねてそっぽ向いてしまったジェシーにそう声を掛けると、俺の方を振り返ったジェシーは情けない顔をしたまま身体を起こした。
この表情は断られる。そういうことさえ分かってしまう。案の定、ジェシーは申し訳なさそうに言った。
「ごめん、俺これから友達のとこにいくんだ」
言われる前から分かっていたおかげで落胆はしなかったけれど、やっぱり断られるのはきついものがあった。胸が締め付けられ、喉が苦しくなる。
「そっか、気にすんなよ」
どうにか絞り出して言葉にするとなんでもない顔をしてスマホを取り出した。操作をするふりをしながら詰まる息をなんとか吐き出す。
最近遊んでないじゃん、仕事では会うけど、俺よりそいつが大事?
俺の事優先してくれよ。俺と遊んで。触って。前みたいに家に来てよ。
なんて、……そんな風に思うのに顔には出さない。
だって、ジェシーは俺のそんな顔、知らない。
マネージャーが楽屋に帰ってきた後は、ジェシーだけタクシーで帰って、俺は車で送って貰った。家に帰って直ぐ、脱衣所に向かったのは、身体の奥を綺麗にしするためだ。シャワーで中を洗浄して、風呂から出るといつもの寝巻を着て歯磨きまで終わらせる。タオルを一枚持ったまま寝室に入り、身体をベッドに投げ出した。
ぼふ、と柔らかい布団が俺を受け止める。いつもはするゲームを、今日はどうしてもやる気にもなれなかった。このままゲームをしても集中できないことは分かっているからチームプレイをしてしまうときっと仲間にも迷惑をかけてしまう。だから今日はこうして早々にベッドに入った。
本当は明日ジェシーの匂いがするベッドで目覚めたかった。叶わなかった想いを慰めるように布団を抱き寄せた。
最近、後ろを使った自慰をしてなかったせいで中を洗っただけで勝手に腹の奥がきゅう、と疼く。ゆっくりとベッドから起き上がり、クローゼットの前に移動して隠す様に置いていた紙袋の中を探る。そして、入っている媚薬入りのローションとエネマグラを取り出し、ベッドに戻った。手の中のそれを眺めて、胸が高鳴って興奮し始める。快楽への期待で身体が熱くなって、また中がきゅう、と切なくなる。
エネマグラを傍らに置き、興奮しているのを抑えようと浅く息を吐き、先程着たばかりの寝巻のズボンを下着と一緒にずり下ろした。そして、タオルを敷いて、その上に腰を下ろした。
ローションの蓋を取り、掌に垂らして体温で温める。手の中で冷たかったそれが人肌になると、下半身に手を下す。濡れたその指で入り口の周辺を確かめるようになぞり、指を押し当てるとそこはお湯で温めていたからか容易く指を呑みこんでいく。この感覚はいつだってぞくぞくする。
第一関節まで指が入り、息を吐きながらぐにぐにと指で中を広げるようにピストンさせる。甘い感覚に、勝手に声が漏れてしまう。
「あっ……♡」
バラバラと中で指を動かし、慣らしながら前立腺に触ると求めていた快感が襲う。久しぶりのその感覚を追い求め、指を激しく動かし始める。
「ン、♡♡あッ……♡」
ローションが水音を立て、指を出し入れする度に漏れる。聴覚も刺激され、頭がぼんやりしてくる。ぐりぐりと中を押しても十分気持ち良いけれど、もっと気持ちよくなりたい。暫く出し入れしていた指を抜くと、ローションをエネマグラに塗りつけ、自分のそこに押し当てた。
胸がドキドキして、期待からかそこはエネマグラに吸い付くようにヒクヒクしている。ぐっと力を入れて押し込めると、そのまま飲み込まれていく。圧迫感はすぐに快楽に変わり、息が荒くなる。ゆっくりと押し進めて根元まで埋め込むと、前立腺に押し付けられた。
「んんんん♡♡」
足がピンと張って、身体に力が入ってしまう。気持ち良くて勝手に身体が反る。
浅く息を吐いてを繰り返すだけで、中に入っているそれを感じて身体がビクビクと震えてしまう。早く動かしたくて堪らないが、慣らすために少し待った。その間にもお腹に力をいれるとエネマグラが前立腺に当たる刺激で頭がびりびりと痺れる。自身からは先走りが垂れていて、触りたいけれど我慢して中に押し入れるようにエネマグラを押すと、前立腺が押し潰されて思わず足の指が張って太腿が痙攣した。
「あ、ぐ……っん、いき、そ、ぁっ♡」
高まっていく絶頂感に荒く息を吐きながら必死で快感を追いかけていると、ビクンッと身体が震えたその瞬間、無情にもインターホンが鳴った。
「へ、……?」
その音のせいで完全に水を差されてしまった俺は、情けない声を出しながら顔を上げた。こんな時間に一体誰だろうか。仕方なく身体を起こしながら、せめて数秒後だったら良かったのにと、溜息を吐く。このまま続けることも考えたけれど、完全に気持ちが萎えてしまった。とりあえず対応してから続きをしようと、エネマグラに手を伸ばす。抜いてしまうのはもったいない気がするが、何が起こるか分からない。それを中から抜くと、その感覚さえも刺激になり、気持ち良くて堪らず、びゅく、と自身から白濁の液が漏れた。垂れているそれを眺めてから、甘く収縮する中に泣きそうに息が震える。
はやくイキたい。中をぐちゃぐちゃにして中イキしまくって何も考えられなくなりたい。頭の中はその考えでいっぱいで、よろよろと立ち上がって寝室を出ると、チカチカランプが光っているインターフォンの前まで来た。画面を確認する前にもう一度インターホンが鳴り、俺は応答ボタンを押した。
「はい……」
『樹ー!起きてた?』
ぐずぐずしている頭に陽気な声が聞こえてきた。その聞き覚えのある声に驚いてカメラを見ると、ジェシーの顔が映っていた。
「え、ジェス?な、んで?」
『今日遊びたそうだったからさー。早めに切り上げて来たよー』
へらへら笑っているようなジェシーの声に頭が回らない。来てくれたこと自体は嬉しいのに、まだお腹の中はきゅんきゅんと絶頂を待ち侘びたまま疼いている。ジェシーを家に入れてしまったら続きは明らかに出来ず、お預けになってしまう。でも、だからと言って帰って欲しくもない。
『……じゅりぃ?』
「あ、とりあえず、開ける。悪い……っ」
押し黙ってしまった俺に、ジェシーは心配そうな声で名前を呼んできた。俺は慌ててエントランスのドアを開けるボタンを押すと、通話が切れた。
切った後で、どうしよう、ジェシーが来ちゃうと慌てて寝室に戻り、エネマグラを拭いてローションと一緒に紙袋に入れて片付ける。そして大きめのパーカーを引っ張り出し、脱いでいた下着と寝巻のズボンを履いた。このくらい大きければ、緩く勃起したままの自身も隠せるだろう。
あと数時間後だったら良かったのに、そう思う気持ちと、来てくれて嬉しいという気持ち半分が半分ずつ。本当にあと少しでイキそうだったから尚更だ。
「タイミング……わる」
苦笑いしながらクローゼットを閉めて寝室を出ると、丁度玄関のインターホンが鳴った。俺はすぐに玄関に向かい、ドアを開けると案の定酔っているのかへらへらしているジェシーが立っていた。
「じゅりー」
「……酔ってんのかよ」
来てくれて嬉しいのに、それを隠して眉を寄せて呆れたふりをしてしまう。そんな天邪鬼な俺の事なんて気にせず、ジェシーは甘えるように俺の身体を抱きしめた。
包む様に大きな身体に覆われると、ジェシーの匂いが鼻孔を満たす。いまさっきまで自慰していた体はそれだけで切なくなって、腹の中がずきずき反応して危うい。ジェシーの肩を押して離させ、玄関のドアロックを掛け、そのままリビングに戻る。後ろから付いて来るジェシーをソファーに誘導し、座るように促すと大人しくちょこんと座った。
突然の来客で、もてなせるようなものは家にない。さて、どうするかと考えながら台所に行き、冷蔵庫を開けるとペットボトルのミネラルウォーターを取り出してリビングに戻った。
この時間に来たということはこのまま泊まる気がする。それなら取り敢えずはお風呂に入れさせて、その間にトイレなりで抜いてしまえば疼きは取れるかもしれない。そう考えながらジェシーにペットボトルを渡すと、ジェシーはまじまじと俺の顔を凝視している。
ジェシーが来る前にしていた行為がバレる訳が無いのに、何となく気まずくなり、慌てて視線を逸らしながら隣に座った。
「樹?」
「ん?な、に?」
「具合悪い?」
隣から低い声が聞こえて勝手に身体がぞくりとしてしまう。心配してくれているからだろうと分かっているけれど、今は気付かれたくなかった。目を逸らしたまま猛りを隠す様にパーカーの前を引っ張ると首を振った。
「いや、風呂あがったばっかだから、じゃね?」
「……違う、そんな顔しない」
眉を寄せているジェシーに、まだ今日のことを気にしているのかと気付いて誤魔化す様に笑って見せるけれど、ジェシーは真剣な顔で俺を見ていた。
「……い、や……えっと、じゃあ……」
「俺の知らない樹の顔しないでよ」
そう言ったジェシーが手を伸ばし、俺の頬を撫でる。
それだけでも勝手に、身体はぞくぞくして反応してしまう。心臓が跳ねそうになって隠そうと慌てて前のめりになって俯くと、ジェシーがそれに気づいてしまったのか手を伸ばして俺のそれをパーカーの上から触って来た。
「あ……っ♡♡」
びくびくっと震えた体は媚薬入りのローションのせいで敏感になっているからか、ジェシーに触られただけで先走りがじゅわっと下着に染みこんでいく。まさか、ピンポイントにそれを触られるとは思わなかった。
小刻みに震える身体に構わず、ジェシーの指がそれを摩るように触り始め、混乱した俺は慌てて逃げようと肩を押すけれど、ジェシーは止まらなかった。
「じぇ、す、だめ……っや、だ、イク……ぅっ♡」
少し触られただけなのに、射精感で頭がちかちかする。羞恥心とジェシーが触ってくれているという良く分からない状態に泣きそうになりながら、びくりと身体が震えた。頭が真っ白になって、「あ♡」と情けない声が出たと同時に、じんわり下着が濡れ、精液の匂いが微かにする。快楽と背徳感が混ざり、恥ずかしさとイった余韻で身体が震えてしまう。
「……じゅり、俺の知らない顔ばっかりしてる」
まだ余韻に浸っている俺の耳元でジェシーの低い声が聞こえて、ハッとする。止める暇もなくイッたばかりの俺のを次はしっかり握り、扱くように動かし始めた。驚いてそれから逃げようと腰を引き、腕を掴んで首を振った。
「いまイッたから、ジェシーだめ、イったんだって……っ」
扱いてくる手を止めようと掴んで腕を引っ張るけれど、気持ち良くて力が入らない。止めたいと思うのと裏腹に、お腹の奥がきゅうきゅうって収縮している。
「やだって、ば、♡やだって、イク、ジェシー、出ちゃう……っ♡♡」
ジェシーは片手で俺の震えている太腿を触った後、俺の腕を掴んでジェシーの首に持っていかれる。首に腕を回せということだろうと察して、戸惑いながらも絡ませてしがみ付いた。
自身を扱かれて気持ち良くて、その刺激に追い付けずに無意識に腰が引いてしまうのに、ジェシーの手は追うようにより激しくなっていき、また射精感に頭がちかちかし始める。
「も、じぇ、し、♡イク、だめ、♡なぁ、~~~~っ♡♡」
聞いてくれないジェシーの首元に顔を押し付けたまま、びくんと身体が跳ねると同時に、また下着にじんわりと漏れていく。また、出してしまった。ぐちゃぐちゃに下着の中は濡れて、気持ち悪いのに気持ち良くて頭がくらくらする。
イッた余韻のまま、縋るようにジェシーの至近距離にある顔に夢心地のままキスをすると、そのまま舌を入れた。
ジェシーは一瞬戸惑ったように固まっていたけれど、舌を絡ませて、ジェシーの舌をなぞると、それにジェシーも応えてくれた。
もう、なにもかもいいや。抑えようとしていたのを引きずり出したのはジェシーだ。どうにでもなってしまえと、ジェシーの舌を吸ってから離し、その身体に擦り寄った。
「……ジェシー、ほしい、中、ジェシーの入れて……♡」
熱に浮かされたままそう伝えると、眉を寄せたジェシーが戸惑っているのをぼんやりした頭のままで見詰める。
自慰を邪魔されてその上2回もイカされてしまった。快楽のせいでセックスする以外のことを考えられなくなった俺を、自分でも止められなかった。
中々返事をしてくれないジェシーに、首に絡ませていた腕を外し、焦れてズボンと下着に手を掛け、脱いだ。出したばかりで少しだけ硬いままの自身と下着での間に精液の糸が引いていて、恥ずかしいのにまたそれにも興奮してしまう。
見えるように足を軽く開いて見せると、自身の精液を手に塗り付け、指を収縮しているそこに押し当て、ゆっくりと中に指を入れた。こうなったのは俺のせいじゃない、だから早く、とジェシーを煽る。
中の圧迫感に吐息を吐きながら、ジェシーが見ていることを確認して、興奮して無意識に笑ってしまう。
「ジェシー、みえる?ここ……♡」
入れた指で、そこを広げて見せると先程入れていたローションが中からツーっと垂れていく。
くぱくぱと誘っているのが見えているようで、ジェシーは戸惑いから情けない顔をしている。
「ね、ジェシー、ここ、気持ちいいよ、中……」
ほら、と指を動かして必死で誘っているのに、何も言ってくれない。動かない彼に、段々悲しくなってしまう。仕方なく自分でゆっくりと指を動かして、それを自慰に変えていく。甘く痺れるような中の快感は、お預けを食らっていた反動か、先程よりも気持ち良い。
前立腺を触り、ビクッと身体を跳ねさせながらジェシーの様子を盗み見てみると、困った顔はいつの間にかもうしていなかった。目を細めて俺をじっと見つめ、眉を寄せたかと思うと、勝手に自慰を始めた俺の手首を掴んできた。
「な、に?」
手を掴まれて止められてしまったことに不満の声を出すと、ジェシーは俺の顔を覗き込むように顔を寄せた。
「ここ、きもちいいの?」
「ーーーーっあゔっ♡♡」
手首をぐりんと、と動かされて前立腺を不意に刺激されてしまったせいで、少し獣のような声が出てしまった。太腿はビクビクと震え、自身からは先走りが伝っていく。
突然の刺激に耐え切れず、縋るようにジェシーの肩に顔を擦り付けるとジェシーが頭を優しく撫でてくれた。その間も、ゆっくり俺の指で中を弄られている。
「あ、きもち、い♡ジェシー……♡」
泣きそうになりながら伝えると、ジェシーが顔を覗き込んできた。それに気付いて顔を上げるとそのまま唇をキスで塞がれた。
ジェシーはキスをしたまま俺の手首から手を離すと、自分のズボンのベルトを外しだした。俺はそれに気付いて急いでそのベルトを引き抜くのを手伝うと、ジェシーがボタンを外してチャックを下ろした。
唇が離れると、ジェシーはそのまま下着とズボンを引き下ろし、ソファーの下に落とす。ずっと待ち望んでいた瞬間に、どうしようもなく興奮してしまう。
ジェシーのそれは勃起してがちがちに固くなっていて、視界に飛び込んできた時には、身体が震えた。
「でか、やばい……♡」
思わず凝視したまま感嘆の溜息を洩らすと、ジェシーが俺の太腿にそれを擦り付けた。
「これ、いれるよ?いいの?」
「おれ、しぬかも、……でも、はやく、ほしい……っ」
ジェシーの問い掛けに応えると、俺の顔をじっと見たままキスをしてくれる。キスは触れるだけでチュッと水音を立てて唇が離れると、ふわふわした頭のまま入れていた俺の指がジェシーに抜かれた。残っていたローションでトロリと濡れた指を見て、ジェシーが口角を上げて笑う。その、今までに見たこともないような顔をして笑うジェシーに、心臓がもっていかれそうになる。
そしてジェシーはソファーから下りると、俺の腰を掴んで真正面に来るように引き寄せた。まるで覆いかぶさるように背もたれに手を突くと、股を広げさせられる。ジェシーが俺の収縮するそこに猛ったそれを擦り付けて、期待と興奮で足が震えてしまう。
大きさの事を考え、その衝撃に備えようと俺も背にあるソファーにしがみ付くと、それはメリッと押し付けられて、少しめり込んだ。初めて飲み込むサイズにごくりと息を呑んだ。
「あぁ……っ♡♡ううう……っ♡♡」
なるべく力を入れない様にと努めてはいるけれど、やっぱり大きい。知らない圧迫感に耐えながらゆっくりゆっくり入ってくるそれを凝視していると、ジェシーの手が頬を撫で、そのまま顎をあげさせられて唇を奪われた。
足を抱えるように持たれ、そのまま中に埋まっていくジェシーのそれにゾクゾクと背中に快感が走る。前立腺を潰しながら中に入って来るその質量に、思わずいやいやと首を振る。
全部入りきる前にいっぱいになったという感覚はあるのに、まだ入ろうとしてくるから慌てて肩を押そうとするのに、ジェシーはそれを中に押し込んでくる。
「ま、って、♡♡」
「力抜いて、じゅり」
「う、♡♡、も、はいんない……って♡♡」
「でもまだ入りそう、だよ」
「うそうそうそ、ーーーーっんぐっ♡ゔゔ♡」
これ以上は、知らない。入った事もないその場所に、ぐぽっと全部、ジェシーのが埋まる。許容したことが無い快楽に、勝手に自身からはビュク、と精液が吐き出された。
俺の中にぴったり、パズルのピースが埋まるみたいにジェシーが中に入っている。脳が痺れるような快感に、ついていけない。
「あ……っ♡♡」
「ちょっと、樹、まだ入れただけだよ……」
「あ、むり、ちょっ、」
入っただけなのにびくびく震えている俺の足を抱えたまま、ゆっくりゆっくりジェシーの腰が揺れ出す。
中が引き摺りだされそうなのが気持ちよくて、足の指が動いてしまう。そして、押し込まれると気持ちよさで足に力が入り、指が張ってしまって、また壊れたみたいに俺自身から白濁の液が漏れた。
「~~~~うううう♡♡♡」
「樹、壊れた?ここ……」
「や、あ♡さわんな、また、イク、ッ♡♡」
不意に亀頭をなぞられ、身体が跳ねて中を締め付けてしまうと、圧迫されるそれさえも気持ち良くて、何をしても快感から抜けられない。何か考える暇もなく、腰は動き始める。気持ち良すぎて怖くて動いて欲しくなくて腕を掴むけれど、ジェシーが止まる事は無くて、肩を何度も押すのに中を抉られて息が上手く出来ない。
「んんん、も、やだ、♡♡ジェシーのちんこ、でかすぎる、し、ぬ……♡♡」
「やだって、気持ちいいくせに、ひどいよじゅりぃ……」
む、っとした顔をしたジェシーが、突然激しく腰を動かし始める。パンパンと肌がぶつかる音が部屋に響くほど打ち付けられて、言葉にならない呻き声が漏れた。
「〜〜ううゔ!!!♡♡♡♡」
「じゅりが入れてっていったのに、」
「じぇす、ごめんん、♡ごめん、なさ、あ゙あ゙♡♡」
ごりごり、中を抉る凶器のようなジェシーのそれは容赦なく俺の中を蹂躙する。
脳みそが溶けてしまっているみたいにセックスのこと以外考えられない。
激しく腰は揺らされて、服を捲りあげられて無い胸を揉まれ、突起を擦られる。
全身気持ちよくなっているせいで少しの刺激でだらだら壊れたみたいに俺の自身からは白濁の液が漏れている。
「いく、またイク、じぇす、」
「ずっと、イッてるじゃん、」
「んぅぅぅぅっ♡♡」
びくびくと身体が震えると、サラサラした精液が自身から吐き出された。ジェシーは俺がイッたせいで中で締め付けられ、耐えるように眉を寄せている。
息を吐きながら背もたれに手を突いたジェシーが、余韻の中にいる俺の耳元にキスをして、囁いた。
「触らないでイケるんだ?じゅりおかしいよ」
「……ジェスのきもちよすぎ、て♡」
頭がふわふわしている。ずっとイッてるせいだ。ジェシーがまた腰を揺らし始めると、また息が出来ないくらい気持ち良くて首をいやいや振った。
もう頭がぐちゃぐちゃになって声が抑えられていない。唸るような声が止まらない。ひきつけを起こす様に息をするとまた唇で唇を塞がれ、唇をゆっくり舐められた後、囁かれた。
「……じゅり、奥に、子宮に出していい?」
「な、に、いって、んなの、ねぇよ……っ♡」
変な事を言うジェシーに眉を寄せながら、抗議のために肩を何度も叩くと突然腰を強く打ち付けられてしまう。快楽に耐えられず、縋るようにジェシーの首に腕を絡ませた。
びりびり快感で脳が痺れている俺に、またジェシーが囁いた。
「あるよ、精子欲しいってさ」
まるで洗脳するみたいに囁かれて、訳が分からなくなっているところにまた腰を振られ、思考が止まる。奥を何度も突かれて、頭の中がぐちゃぐちゃで首を振る。
「〜〜やぁだよぉ……できちゃう……♡♡」
「じゅり、俺の子供、産んで……」
そんなこと、出来るわけないと分かっているのに勝手にぞくぞくしてしまう。想像して、背中に快感が走った。
出来ないことはお互い理解しているのに、俺を孕ますためにジェシーの腰は動いている。中を何度も何度も抉ってきて、奥を何度も突いてきて、しがみついて、今まで感じたことの無い快楽に溺れている。
「あああっ♡♡、も、だめ、またイク、イク……っ♡♡」
「じゅり……っ」
頭が真っ白になったその瞬間、今日何度目か分からない射精をしてしまった。ビクビク震える俺の中で、ジェシーも射精したのか自身がどくどくと波打っている。
じわり、お腹の中が熱くなって、中に出されてしまった感覚に、ぞわぞわと満たされる。
ぜーぜー、と何度も息を吐いて、未だに脳がちかちかしている中、ジェシーが顔を覗き込んでキスをしてきた。焦点が合わないままの俺に、ジェシーは頬を撫でてくれて、そしてまた唇が重なった。
「もう、俺の知らないじゅりはいないよね?」
囁いてきたジェシーに、虚ろなままその顔を眺めた。
ずっと引き摺っていたジェシーに、思わず笑ってしまう。
お前のその感情って何?独占欲?聞きたいけれど、飲み込む。分からないけれど、何でも良いから俺に固執していて欲しい。
俺の事を離して欲しくなくて、もっと求めて欲しくて、
「どうだろうな?」と笑って答えると、ジェシーはすこし怒ったような顔をして、またゆっくり腰を揺らし始めた。
中で再び硬くなってきたそれに、俺はまた、喘ぎ声を漏らした。

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